閑話休題　「いのち」のはなし

ハンドボールの練習をちょっとはなれて、カントクの昔ばなし・・・
となってしまうかな、、、（政治・宗教等とは一切関係ありませんので！）


最近、久しぶりに台湾ドラマをテレビで視ました。
中国語の歌や、会話などの言葉の響きがとても好きだからです。
そのきっかけとなった出来事、それは過去に働いていた会社で、
中国人の研修生たちを部下に持ったことから始まりました。
そしておそらく、自分の人生の中でも初めて外国の人と一緒に過ごす
時間が長かった時期でもありました。


会社に来た中国からの初めの研修生は、若い女性６名（ただし殆どが既婚者）でした。
当初、日本語もきちんと伝わらないであろう外国人に仕事の指示はだせない！と
上司に反発していた私でしたが、彼女たちの境遇・・・幼い子供を実家に預けていたり、
必死に日本語を勉強しようとしてまで働こうとする意欲や姿勢を目の当たりにしたことで、
彼女たちが日本に夢と希望を持ってきたことに自分も応えていきたい！という気持ちを
強く持つこととなりました。


そこから自分がとった行動は、筆談での指示を多用したり、電子辞書を買い、Ｅテレの中国語会話をみて
会話や単語を覚えようとしたり、雑誌や音楽から中華文化に触れようとすることで、自分からも中国語を
話す姿勢や意欲を彼女たちに示しながらコミュニケーションをとり、「信頼される日本人」を目指すことでした。
彼女たちは、そんな私を受け入れ、そして認めてくれました。私から「中国語をもっと勉強したい」と相談すると、
休日に時間をさいて、私の舌が千切れるほど発音の指導を代わり代わり、丸一日かけて、身勝手な私に応じて
もらえたりしました。


その後も会社は、１年ごとに新しい研修生を３期生まで受け入れましたが、当時の私の若さからくる嫉妬心、
努力を認められないという会社への不信感、同僚への反発や過労によるストレス、そうしたものの不満を
抱くようになりました。そしてさらには、恩を受けたはずの彼女たちに仇として返すような態度をいつの間にか
とってしまう卑劣な人間になってしまっていました。そうした悪循環を断ち切れないまま、会社は業務縮小を
余儀なくされるとこまで業績が落ち込みました。そして私も自ら会社を去る決断を余儀なくされたにも
かかわらずまだ意地を張っていた私は、彼女たちへ「再見（さよなら）」も伝えることなく、その顛末として、
もう二度と会えないような相手に、無機質な別れかたをすることとなりました。


この出来事は、私にとって今も後悔の尽きない事実として、自分で心に深い傷を残すことなっています。
ただ、冒頭に書いた台湾ドラマを視ていて、ふと気づいたことがありました。


いま、私が身に付けている中国語の知識は、彼女たちそのものであるのではないか。
そして、もう二度と会えないかもしれない彼女たちかもしれないけれど、私の心の中で「いきている」のでは
ないか！


実際、私の中国語の知識は、この会社のあとに勤めた会社の中国人研修生（ここでは男性でした）にも、
すぐに受け入れてもらえるものとなっていました。会社でも彼らの世話役的な立場を任されることで認めて
もらい、信頼を得ることが出来た部分も多く感じられた経験を得ることが出来ました。


とここまで私の経験談を、いつものようにずらずらと書き進めてしまいましたが、「いきる」ということの、
理由や楽しさの意味はここにあるのではないかという、ひとつの答えに気付いたということです。


さらには、ハンドボールの指導者という立場を選んでほぼ２０年となる今、クラブの卒業生からよく聞く言葉が
浮かび上がってきました。
「カントクがハンドボールの楽しさを教えてくれたから・・・！」


たとえ相手が大人であれ子供であれ、人との出会いやコミュニケーションの中での「言葉の重さ」を
いまあらためて切実に感じることともなりました。


もう何年もあっていないような、クラブの卒業生やハンドボールで関わってきた人たち・・・その人たちに
自分はどれだけ心の中で生きているのだろうか、、、
それは、感謝の気持ちだけではなく、不満や反感の気持ちもあって当然であろうと思っています。
それでも自分はその人の人生に関わり、人生を変え、そしてどんな形でも記憶に残してもらえていることで、
その人の中で「生きている」のかもしれない。。。


さらには、私の心の中に記憶している人たちによって、自分は「生きている」ことを実感できているのです。
　　（『遭うは別れの始めだよ』と言われた事は、
　　　　　　　　　　　　　　今を生きることの大切さに気付け！という意味だったのかもしれない）


余録　　Ｄｉｓｎｅｙ・ＰＩＸＡＲ作品「リメンバー・ミー」も７月にＢＲ／ＤＶＤが発売されますね。
　　　　　一応断っておきますが、こちらのネタバレ記事ではありませんので、悪しからず、、、(^^♪