「Bチーム」ドイツの優勝 | アンテナ

「Bチーム」ドイツの優勝

02/02 05:50

まさかまさかのドイツ優勝!
ただでさえこれといった選手がいないのに、主力2人も欠いて優勝どころか準決勝戦に進むことさえ予測していなかったので、予想外の快挙である。
意外とよかったドイツのキーパー、決勝で最優秀選手に選ばれたのだが、この夏にキールに移籍するそうで、Niklas Landinのスタメンの座も危ういのかも?と言われるようになったほどである。
まさにそのキール所属の主力選手二人しか知らなかったので、彼らが抜けてからはドイツをみても誰が誰だかまったく認識できず。それもそのはず、彼らのほとんどがチャンピオンリーグにも出ないようなブンデスリーガ中堅クラブ所属ばかりなので、みる機会がなかったのである。というか、上位クラブにいるいつもの代表スタメン選手の多くが故障で大会に出られずで、いわば「Bチーム」と揶揄され、本命から程遠かったらしい。
決勝戦の対戦相手スペインは好きなこともあるが、いずれも有名クラブ出身ばかりの逸材揃いで、デンマークの次に把握しているチームだが、ドイツ相手にウンともスンともいわず。。
おととしのデンマーク対フランス戦ほどとは言わないが、最初からまったく勝てる気配を感じさせないダメダメさだった。
 
それにしても。。。
今回は、本当に驚きの大会だった。というか、わたし的には失望の大会だった。
 
デンマークは、二次リーグ一戦目で対スペインで快勝し、一気に準決勝戦進出にはずみをつけたものの、2日後の対スウェーデン戦で、翌日のドイツ戦に備えるべく、Mikkel HansenとNiklas Landinの出番を極力控えさせたため、勝てない試合ではないのにイマイチしっくりこないまま、結局引き分けで終わってしまった。今思えば、次のドイツ戦を捨ててでも、勝つ試合をするべきだったのだが、結果論である。
そして、20時間しか休みがなかったデンマークに対し、まる3日も休んだドイツとでは、明らかに疲れの差がみられ、デッドヒートを繰り広げながらもデンマークのほうが劣っているように思えた。後半などは、走れなくて速攻がまったくできない有様。
そして最終的にはデンマークが根負けし、最後の最後で負けてしまった。
そのあとスペインが勝ったため、デンマークは準決勝に進出ならずだった。
 
そのときは、同じグループでスケジュールが違うなんて不公平だ、と思っていたけれど、一番の敗因は、デンマークの選手層が薄かったことであると思う。
バックの選手はMikkel Hansen、Mads Mensah、Mads Christiansen、Mikkel Damgaardのヘビロテで、Rasmus Laugeでさえ出番は少なく、Pater Ballingに至っては一体あなたはいるんですか?というほど、最後の試合まで一度も出てくることはなかった。ポストバックのAlexander Lynggaardもしかりで、ディフェンス要員のKlaus Thomsenは一度も出番がないまま大会途中でデンマークに帰されてしまった。
ただでさえ少人数でまわしているのに、二次リーグは4日間に3試合というハードスケジュールで、選手たちも疲弊するはずである。
まぁ、より選手層の厚いスペインでさえ(バックはEntrerrios、Maqueda、Canellas、Garcia、Dujshebaevの5人がメイン。しかしポストバックはほとんどAguinagaldeのみ。)、デンマークと同じスケジュールで決勝まで行ったものの、最後の決勝ではボロボロだったので、やはり過酷ではあったのだろうが。
 
ポーランドと準決勝まであたらないグループの勝者デンマークとスペインだけがこのスケジュールだったので、これも準決勝で有利にするためのポーランドの陰謀だと思い、しかもフランスでさえ二次リーグの最終戦でノルウェーに負け準決勝に不進出になったので、これもポーランドの優勝に導くためにレフェリーにバイアスをかけさせたか?と勘繰ったが、なんと、ポーランド自身が対クロアチア戦で14点差で大敗を喫し、結局7位で終わったのである。
有力候補のフランス、ポーランド、デンマークが二次リーグで敗退し、スペイン、クロアチア、ドイツ、ノルウェーが準決勝に進出した。
ドイツも意外であったが、ノルウェーが二次リーグでフランスにさえ勝利しグループ1位になったのは大快挙というべきであろう。前回の欧州選手権では14位だったし、去年の世界選手権では予選さえ通過せず参加できなかった。というか、記憶にある限りノルウェーはそんな上位にあがってくるイメージはない。
結局4位でメダルは獲得できなかったが、これといった逸材がいるわけでもないのに、かなりいいまとまりをみせていたと思う。
 
しかし、やっぱりハンドボールは、「チーム」ゲームといえるのかもしれない。
スター選手に依存することなく、チームの力で戦ったドイツとノルウェーの躍進がめざましい大会だった。
おかげで、デンマークはオリンピックの予選グループ分けがかなり厳しいものになったが、予選では、一部の選手だけに依存するのではなく、より万遍なく選手をつかって「チーム」で戦ってほしいと思う。


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