世界選手権、ワイルドカードの疑惑 | アンテナ

世界選手権、ワイルドカードの疑惑

01/06 06:31

またまたご無沙汰してしまったが、この季節がやってきた。
そう、ハンドボール男子国際大会である。
今年はカタール開催の世界選手権。今日から、練習試合が始まった。今のところ19人代表選手として召集を受けているが、カタールに行けるのはたった16人。本大会への参加を決めるためにも、選手にとっては、練習試合といっても大事な試合である。
今日はマルメで対スウェーデン戦、週末3日間はユトランド半島を転々としながら、スロベニア、アイスランド、スウェーデンと対戦する。
マルメといえば、2011年の世界選手権。去年のヘアニングでのヨーロッパ選手権も面白かったけれど、2011年の大会は、わたしにとって初めての国際大会生観戦だったので今でもいい思い出として心の中に残っている。
そういう意味では、今日の試合は観にいきたかったな、と思った。去年のヘアニング3往復と、準決勝と決勝という高額チケットで散財したため(決勝戦は最上階の最後列だったにもかかわらず、500krは下らなかった。)、今年はたかだか練習試合でユランには行きたくないと何も動かなかったのだが、今日マルメでやると知って何も調べなかったことを後悔した。スウェーデン主催だから情報が入りにくいけど、代表チームの試合スケジュールを把握すれば、スウェーデンのハンドボール協会のサイトで購入することも可能だっただろう。
 
今日の練習試合については、Mikkel Hansenがすばらしかった、しかしMikkel Hansenがいなくなったらどうするの?に尽きる試合運びだったが、それよりもハンドボールファンとして由々しき事実が今更判明したので、そのことについて書きたい。
というか、もう半年以上前に起きたことで、本当にハンドボールファンなの?と我ながらつっこみたくなってしまうが。
 
今回の世界選手権のグループ分けは、
A スペイン、スロベニア、ベラルーシ、カタール、ブラジル、チリ
B クロアチア、オーストリア、マケドニア、ボスニア、チュニジア、イラン
C フランス、スウェーデン、アイスランド、チェコ、エジプト、アルジェリア
D デンマーク、ポーランド、ロシア、ドイツ、サウジアラビア、アルゼンチン
と一見して、CとDに強いチームが偏っている印象を受ける。
世界選手権では、第一ラウンドリーグ戦のあとはトーナメント戦でしかも最初はABとCDであたるので、仮にデンマークが一位で通過したとしても、フランスは別として、4位になるのはスウェーデン、アイスランド、チェコいずれの国になってもおかしくはなく、1/16戦早々に厳しい対戦になる見込みである。
 
なんでこんなに偏っているのか、、と予選のプロセスについて調べたところ、なんとドイツと強豪であるはずのアイスランドも予選通過ではなくワイルドカードで世界選手権の切符を獲得したとのこと。そして両チームが底辺の6ポットにチリとイランと一緒に入ったのだから、不均等なはずである。
まぁドイツは予選のプレイオフ戦でポーランドと対戦しているので負けたのはしかたないにしても、アイスランド、ボスニアに負けているし、、そして、これまた出場常連国であるセルビアとノルウェーがそれぞれチェコとオーストリアに敗退し、出場権は得られなかった。セルビアは意外だが、ノルウェーはやはり若手が育っていないのが原因か。
 
それでなぜドイツがワイルドカードを入手したのか。ドイツは、去年のヨーロッパ選手権にも出ていない。やはり予選に負けたけれど、EMには出たアイスランドとセルビア、ノルウェーに劣っているはずである。
去年の7月8日、ザグレブで行われた国際ハンドボール協会の理事会で、オセアニアには世界選手権に出場する権利を与えられない、実はヨーロッパでの予選が行われる前の5月30日に、オセアニアの一出場枠をヨーロッパに譲り、予選に負けたチームの中で2013年の世界選手権でもっとも上位のチームが出場権を得る、と決めていたため、その条件を満たすドイツが権利を得ることになったと発表したのである。
それに対し、権利をはく奪されたオーストラリアが反論したのはもちろんだが、アイスランドも自分たちこそがもらえるはずが、なぜよりによってドイツに?と大激怒した。
5月30日に決めたというのはウソで、6月の予選が終わりドイツが出られないことなってから、放送権収入をもっとも多く見込まれるドイツが出ないとなったら財政的に厳しくなるので、1年半も前の世界選手権の結果を持ち込むという苦し紛れの案を出したのではないか、と。
結局、アラビア首長連邦国の辞退で、アイスランドにもワイルドカードが与えられることになったのだが。
 
ちなみに、肝心のドイツ当事者はむしろ棚からぼた餅的な予想外のワイルドカードだったらしい。
ま、ドイツはサッカー大国で去年7月にはワールドカップも優勝したくらいで、ハンドボールの世界選手権なんてどうでもいいことに違いない。
しかし皮肉なことに、相対的にみれば、世界の中ではドイツのハンドボール視聴者がもっとも多いのである。
もっと言ってしまえば、いかにハンドボールが人気がないか、、ということでもある。
というか、そこまでマニュピュレートしなければならないほど、世界選手権の存在意義なんてあるのだろうか。
といいつつ、来週からの本大会観戦を楽しみにしているのだが。


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